芥川賞作家が教えてくれた子供の可能性の育て方
気付けば辻仁成さんの作品は芥川賞受賞作「海峡の光」含め10作ほど読んでいました。
音楽活動や様々な活動もされていて非常に面白い作家さんだなと思います。
バンド結成されていた頃のエコーズは知りませんでしたが今やYouTubeで遡って視聴する事が出来るのは嬉しいことです。
多才な方ですね。
二足のワラジないし三足のワラジ?ですね。
文学繋がりで記憶に新しいところだと又吉直樹さんが「火花」で芥川賞受賞したのも驚きましたね。
芸人さんが芥川賞⁈
芸人なのに面白い事を一つも言わない(一つは言ったかな)芥川賞授賞式はなんだか私にはとても面白かったです。
「火花」を読んだ後はあの授賞式も妙に納得してしまったけれど。
又吉さんは本当に芥川賞作家なんだと。
作家先生の顔でしたね。
こうゆう多芸多才な人達をみて思う事は
一つの事を成し遂げられる人は何だって成し遂げられるのだということ、やり抜く術を知っている誠実性のある人間であるということです。
そんな人格を形成した親はどんな人物なんでしょう。辻仁成さんの新刊、
「84歳の母さんがぼくに教えてくれた大事なこと」
母である私が知りたいと思わせるタイトルだったので思わず手にとり読んでいました。
子供の可能性(才能)を引き出し成功へと導くことのできる親とはどういう親なのでしょう。
辻さんの母、恭子さんは子供を個人としてのその人の人間性、人格を大事に育てていらっしゃったんじゃないでしょうか。
子供がやりたい事、信じる物には心ゆくまで冒険させています。そして冒険の先に波乱や危険があるのならば、そこでやっと助け舟を出すのです。決して焦らず、はなから否定することはしないし、はなから怒ることもありません。
(一部著書より抜粋)
ひとなり。逃げろ。逃げなさい。逃げてよか。
人生は長い。いちいち全部を相手にする必要はなか。相手にしちゃいけん。逃げることは負けじゃなか。そもそも戦う土俵はそこじゃなか。対戦相手が違う。無駄なエネルギーを使う必要はなか。体力ば温存させて寝とかんね。
一母さんが教えてくれた大事なこと一
(84歳の母さんがぼくに教えてくれた大事なこと より)
一母さんが教えてくれた大事なこと一
として恭子さんの助言が数ページにわたって綴られています。この助言の一つ一つが心に響きました。
岐路など様々な場面で貰った言葉はしっかりと本人の中で息づいてることでしょう。
「子供の頃、親が育んでくれた好奇心が、その子の老後までを守る」という何処かで読んだ一文をふと思い出しました。
素晴らしいお母さんがいて、そして今の辻仁成さんがいる。そう感じました。
自分が親としてどうあるべきか子供とどう向き合っていくべきか、子供へのほんとうの愛とは何かを教えてくれた心温まる本でした。
さて、辻さんの作品は10作ほど読みましたが中でも1番好きなのは「白仏」です。
とても素晴らしいと思う作品の1冊です。
この話はまたいつかできたら…